矯正で歯が動くと痛い?原因と対処法を矯正歯科医が解説!

急な装置のトラブルに対応しやすい

“矯正治療は痛い”というイメージがありませんか?


「歯が動くときの痛みってどんな感じ?」
「ずーっと痛いの?」
「なるべく痛くないようにして欲しい」

このような痛みに関するお問い合わせを受けることがあります。

全く痛くない矯正治療というのは現在のところ難しいですが、事前に痛みについて把握し、上手に向きあえると楽になる場合があります。

今回は矯正治療の元患者でもある矯正歯科医の私が矯正治療中の歯が動く痛みや痛い時の対処法について詳しく解説します。

記事を読むのが面倒だ!という方は、こちらの動画で矯正中の歯が動く痛みについて詳しく説明しているので、ぜひ見てみてください。

 

歯が動く痛みについて

まず、そももそなぜ歯が動くと痛みを感じるのかを見ていきましょう。

歯が動く痛みってどんな痛み!?

大人が歯列矯正を行うベストタイミング

痛みは食事などで物を噛んだ時に感じます。

痛みの例えとして、歯が浮いたような鈍い痛みとよく言われることがありますが、この感覚は他の痛みと比べ独特です。

私自身の体験ですと、痛い時はお肉は食べたくなくなり、柔らかいお魚をたべるのが精一杯という感じです。

そして痛みの感じ方には個人差がかなりあります。

同じ力で歯を引っ張っても全く痛くなかったという人もいれば、ちょっと痛かったけれど我慢できたという人もいれば、夜中に痛みで起きたなんて人もいます。

この痛みは若年者の方が弱く感じられる傾向にあります。

一方で、神経質な方や心配性な方は痛みをより過敏に感じる傾向にあります。

昔の矯正治療では扱う器具や治療法の関係で歯に大きな力がかかっていたため、痛みを強く感じやすい治療となっていましたが、

現在は器具やワイヤーが改良されて昔よりは痛みは感じにくくなっています。

例えばニッケルチタンワイヤーという弱くて持続的な力がかけられる形状記憶合金のワイヤーが開発され、

従来使っていたワイヤーと比べて治療初期の強い痛みを大きく緩和することが可能です。

また、特に痛みを感じやすい方には非常に細いニッケルチタンワイヤーからスタートすることもありますので、

不安のある方は担当医に相談してみて下さい。

これからも器具や治療法の改善により、痛みが少ない治療へと進歩していくといいですよね。

 

痛む原因



歯の根と骨の間には歯根膜という組織が存在し、その歯根膜には歯根膜繊維や血管、様々な細胞が存在します。
 

歯にある大きさ以上の力を加えることで、歯を隔てて歯根膜の組織が圧迫される側と牽引される側に分かれます。

上の図でいうと歯根膜の繊維が圧縮された側が圧迫側で、ピーンと伸ばされた側が牽引側です。
 

この圧迫側の歯根膜の中に存在する血管が圧迫されることで血流障害が起こり、

プロスタグランジンやブラジキニンなどの炎症メディエーターという炎症に関連した化学物質が出現します。
 

プロスタグランジンの作用によって「痛み、熱、腫れ」などの症状が引き起る現象を炎症と呼びます。

そしてブラジキニンは生体内で最も強い発痛物質とよばれ、神経を興奮させることにより痛みを発生させます。

プロスタグランジンはブラジキニンの作用を強める性質があり、

またブラジキニンはプロスタグランジンをより多く作ろうとする性質があることで炎症や発痛の度合いが強くなる仕組みとなります。

このように、矯正治療で歯を動かすためにはこの炎症反応が必要で、それに伴い痛みが生じます。

ですので痛みが起こることは体の適正な反応であり、ある程度しょうがないと受け止めて痛みとうまく付き合っていくといようにするしか現在のところ方法はありません。

治療の初期は初めて感じる痛みに戸惑うこともありますが、治療を重ねるごとに痛みに対して多くの皆さんが慣れていきますので、その慣れるまでの間は我慢が必要です。
 

歯が動く痛みの期間

まず、最初にお伝えしえおきたいことは矯正治療期間中はずーっと痛いわけではありません。

痛みは歯の移動様相と関係してきます。歯に力をかけると、動きは大きく3つに分けられます。

①初期の移動
②歯の移動の停滞
③停滞後の再移動

の順となります。

それぞれについてみていきましょう。
 

①初期の移動

まずは『初期の移動』についてです。

矯正器具をつけた直後は痛みは基本的にはありませんが、装着してから4~6時間くらいで違和感や痛みを感じ始め、痛みのピークは翌日からはじまり2、3日続きます。

この時は固いお肉などを食べるのは困難な状態となります。

ヨーグルトやみそ汁などの流動食、うどんなどの柔らかいものを選ぶようにしましょう。

噛む回数を減らすために食べ物もあらかじめ小さくしておくと良いでしょう。

その後はだんだんと弱まっていきます。

 

②歯の移動の停滞

そして次の『歯の移動の停滞期』へと入り、1週間後には痛みが落ち着いて通常通りの生活が送れるようになるかと思います。

装置装着直後には食べれなかったお肉なども徐々に食べれるようになります。

③停滞後の歯の再移動


その後、3週目あたりから『停滞後の歯の再移動』が起こります。

これに伴い痛みがまれに出ることがあります。

 
そして一般的に1ヶ月に1回の頻度でワイヤーの交換となりますので、ワイヤーを交換してからの翌日から2,3日も同じように痛みが生じます。

治療を受けるにつれて痛みに慣れてくることもあり、最初に感じたときの痛みに対するストレスと比べるとだんだん軽減されていく傾向にあります。

ですので、初めて歯を動かす時が一番ストレスに感じるかと思います。

 

歯並びでお悩みの方、
お気軽に無料矯正相談へお越しください。

 

歯が動く痛みに対する対処法

痛みに対する対処法は大きく分けて4つあります。
①食事
②歯の周りの血流を良くする
③痛み止めの服用
④担当医に相談

それぞれについてみていきましょう。

 

①食事について

噛む力をアップさせて健康を維持できる

痛いときは硬くてよく噛まなくてはいけないものは避け、なるべく柔らかい食べ物を食べるようにしましょう。

例えば、お粥やうどん、ヨーグルトなどが最初は良いかもしれません。

矯正治療中の食事や食べ方についてはこちらの記事をご参考ください。

 

②歯の周りの血流を良くすることについて


歯の血流を良くすることで痛みが和らぐ場合があります。

ご自宅でできる方法としてはスプーン1杯のお塩をコップ1杯のお湯に溶かして、1日2回程度、1回につき30秒ほどブクブクとゆすいでみましょう。

他にも病院によってはレーザーを用いたり、バイトウエハースという薄いシート状のものを装置装着後に10〜15分程度噛み込むことで血流をよくする方法などがあります。

 

③痛み止めの服用について


痛みを強く感じるようであれば、カロナールや市販薬のバファリンなどの痛み止めの服用を検討してみましょう。

ロキソニンやボルタレンなどの非ステロイド薬は先程ご説明した炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジンが作られるのを抑えるため、

痛みの軽減に効果的ですが注意点があります。

非ステロイド薬は一時的な服用であればさほど問題はありませんが、継続的に飲み続けてしまうと副作用による胃腸障害だけでなく、

炎症が抑えられることで歯の動き自体も悪くなってしまうことがありますので注意が必要です。

 

④担当医と相談について

痛みについて心配であれば担当医に相談してみましょう。 

先程の痛み止めの服用の相談だけでなく、予約のとり方についても相談しても良いかもしれません。

お友達とのお食事会や旅行などの楽しいイベントのときに、痛みを感じると十分に楽しめませんよね。

あらかじめ予定が決まっているようであれば、痛みのピークとなる日と大事なイベントが重ならないようにしてもらいましょう。

また、痛みの感じ方は個人差があり痛みを強く感じやすい方の場合には、

それに配慮して交換するワイヤーのサイズを細くしたり、

歯を引っ張る力を調整することで痛みを軽減できる場合がありますので相談してみましょう。

まとめ

矯正治療による歯の動きに伴う痛みに関してご理解いただけましたでしょうか。

病院によっても痛みに対する対処法は異なるため、ご心配であれば矯正相談の際に確認されることをおすすめします。

 

Check Point

■歯を動かす際には炎症反応が必要でそれに伴い痛みが生じることはしょうがないが、痛みに慣れて上手に向き合うことで解決できる

■痛みの感じ方は個人差があり、若年者の方が弱く感じ、神経質な方や心配性な方は痛みをより過敏に感じる傾向にある。

■矯正治療中は四六時中痛いというわけではなく、装置装着やワイヤーを交換して翌日から2,3日は痛みのピークとなり、その後はだんだん弱くなり1週間後には落ち着く傾向にある

■食事の工夫・血流をよくする・痛み止めの服用・担当医と相談することで痛みの軽減を図ることができる

 

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