幼児から矯正が必要な歯並び、歯列矯正の器具や費用について
「歯列矯正なんて、もっと大きくなってからの話よね」と思っている方も多いでしょう。
悪い歯並びは通常の病気とは異なり、「早期発見」「早期治療」といったように早く行えばいいというわけではありません。
しかし、子どものうちに歯列矯正を行うことはさまざまなメリットがあり、虫歯や歯周病をはじめ、成長に伴って生じるリスクも回避することができるのです。
当院で行われている小学校入学前の幼児の歯列矯正についてご案内します。
幼児から矯正治療が必要な歯並びとは!?
子供の矯正治療は顎の成長や歯の生え変わりなどのタイミングを考慮して行われます。
そのため、幼児のうちから矯正治療を始めておいた方がよい歯並びと様子をみてもよい歯並びがあります。
お子さんがどちらに当てはまるかをまずは確認してみましょう!
相談を受けた方がよい歯並び
●下顎前突
●交叉咬合
3歳児検診の際に、「反対咬合(下顎前突、受け口)」もしくは「交叉咬合(こうさこうごう)」といわれたお子さんは、現在の歯並びをより詳しく検査する目的も含めて、一度相談を受けることをおすすめします。
本来、上顎の歯が下顎の歯の外側に重なるのが正しい噛み合わせの形ですが、前歯が逆になる反対咬合や、奥歯が逆になる交叉咬合は、顎の異常な成長を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
経過観察してもよい歯並び
上記以外の噛み合わせであれば、6歳臼歯が生えて前歯が数本生え変わる小学校低学年頃を目安に歯列矯正をスタートさせると良いでしょう。
もちろん、もしお子さんの歯並びや顎の成長に不安があるのであれば、6歳になる前に当院にご相談いただいても構いません。
当院の歯列矯正の相談について
子どもの歯並びは成長に合わせて変化するので、早く始めたからといってそのぶん治療が早く終わったり、将来的に歯並びの心配がなくなったりするわけではありません。
しかし、早い段階で親がお子さんの歯並びに対する意識を持つことは、さまざまなメリットに繋がります。
<当院の歯列矯正の相談を受けるメリット>
- 将来、歯列矯正が必要かどうかを知ることができる
- お子さんの現在の歯並びや顎の状態を知ることができる
- どのタイミングで行うべきか、正しく判断できる
放置しても自然に治ることが難しい場合や、顔の形が歪んだり見た目の問題で精神的なストレスを感じてしまうと予想される場合には、当院では積極的に歯列矯正を行っています。
お子さんの歯並びについて気になることがあるなら、是非一度ご相談にいらしてください。
子供に矯正治療は必要?
これからの長い人生において、歯並びは小さなお子さんにとってどのように関わってくるでしょうか?
歯並びがお子さんに与える影響についてご説明します。
人生の場面での影響
歯並びが整っていると、笑顔が素敵に見えて周りの方からの印象もよくなるといえます。
男女1000人を対象とした「歯並びと矯正歯科治療に関する意識調査」によると、歯並びが美しいことは人生における大事な場面において良い結果を得られやすいと考えている方が多いことがわかります。
キレイな歯並びはお子さんの人生を豊かにする一つとも言えるのではないでしょうか。
歯並びが悪いことで起きるデメリット
歯並びや噛み合わせの悪さは、虫歯や歯周病を始め、さまざまなデメリットが生じます。
これからどんどん成長する子どもたちにとって、歯並びの悪さはときに深刻な問題となることも考えられます。
- 汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる
- スムーズに咀嚼(そしゃく)できず、食べ物を十分に噛み砕けなくなる
- 咀嚼の影響から消化不良を起こし、胃腸に負担がかかったり栄養を十分に吸収できなくなる
- バランスの良い噛み締めができず、スポーツの際に十分な力を発揮しづらい
- 歯の隙間から空気が漏れ、正しい発音ができない、滑舌が悪くなるなどの影響が出る
- 人前で話すことや人とコミュニケーションをとることが苦手になる、コンプレックスによって消極的な性格になってしまうこともある
幼児の矯正治療ってどんな治療!?メリットは?
幼児の頃に行う歯列矯正の目的や、歯列矯正することによるメリットについて考えてみましょう。
「歯並びを治す」ではなく「顎の健やかな成長を促す」ための歯列矯正
歯列矯正といえば、歯並びや噛み合わせの悪さを「治す」というイメージがありますよね。
しかし、子どものうちに行う歯列矯正には、歯がきれいに生えそろうための「準備」や、歯並びや噛み合わせの乱れを防ぐ「予防」の意味合いが大きくなります。
小学校に上がる前の、およそ6歳頃までに始める歯列矯正は、顎の健やかな成長を促すことが目的です。
歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす癖なども取り除き、歯が生え揃うための準備を行うとことで、将来的にきれいな歯並びに繋げることができます。
子供の矯正治療によるメリット
子供の矯正治療によるメリットは以下のとおりです。
- 骨格(顎)の成長に合わせた正しい歯並び・噛み合わせへ促すことができる
- 将来的に永久歯を抜かずに治療できる可能性が高くなる
- 将来的な歯列矯正の治療期間を短くすることができる
- 虫歯や歯周病などのリスクが低くなる
- 指しゃぶりをはじめとする癖・習慣を改善できる
- 見た目や話し方のコンプレックスを取り除くことができる
幼児の歯列矯正の器具・期間・費用について
幼稚園児の頃からの歯列矯正は、永久歯が生えそろうまでに行う「1期治療」と呼ばれる治療を行います。
1期治療が終了すれば、歯並びの状態に合わせて「2期治療」に移行します。
1期治療
永久歯が生えそろうまでの幼稚園年長~小学校低学年頃にスタートし、永久歯がきれいに生えるように顎の成長や歯並びのバランスを調整する治療です。
顎が小さく永久歯が入りきらない場合には顎を大きくする治療や奥歯を動かしたり、噛み合わせのバランスを整えたりすることで、永久歯が生えやすい状態にします。
当院で使用する矯正器具
当院では、マウスピース型矯正歯科装置を使用します。お口まわりの筋肉のバランスを整えつつ、歯ならびを改善させる子ども用の装置です。
既製品で歯型をとる必要がないため、嘔吐反射の強いお子さんや乳歯列期の小さなお子さんにも使用できます。
治療期間
歯並びによっても異なりますが、矯正の治療期間は約1~2年ほど。1~2ヶ月に1回通院し経過を確認します。
1期治療が終わったあと、永久歯が生えそろうのを待って2期治療に進みますが、1期治療の状態によっては2期治療が不要になったり、簡単な治療で歯列を整えることができる場合もあります。
1期治療にかかる費用
子どもの矯正治療の費用は、治療前に行う精密検査や定期検診の際に必要となる処置料を含め、55~60万円前後が目安となります。
当院の費用の内訳をご紹介します。
<治療に入る前までに必要な費用>
精密検査・診断料・・・55,000円(税込)
<治療がスタートしてから必要な費用>
子どもの矯正治療の基本料金(4〜12歳頃)・・・44万~55万円(税込)
毎回の処置料 ¥3,300〜¥5,500(税込)
2期治療
永久歯が生えそろう小学校高学年以降から行う矯正治療で、成人の歯列矯正もこれにあたります。
1期治療が終了後、歯の状態に合わせて2期治療に移行します。
多くの方がイメージする矯正治療がこの治療で、ブラケットやマウスピースなどを用いて歯並びや噛み合わせを整える治療です。
子供の矯正治療による生活への影響は?
幼いうちから歯列矯正を行うことで、体に負担がかからないか、精神的なストレスにならないかなど、親にとっても不安が大きいものです。
矯正治療による生活への影響をご説明します。
痛みや違和感に関して
当院での幼児に行う矯正治療では、なるべく痛みがでないように十分配慮して治療を行います。
カチカチと物を噛む際に、一時的に痛みを感じるお子さんもいらっしゃるので、その場合は比較的柔らかいものを出してあげるとよいかもしれません。
違和感に関しても最初は一時的におしゃべりがしづらくなりますが、慣れて支障なく生活できるようになります。
食事面に関して
矯正治療中による食事の制限は基本的にありません。
幼稚園や保育園でも通常通りのお食事をとることができます。
運動や習い事に関して
矯正治療中による運動や習い事の制限はありません。
今まで通り過ごすことができます。
まとめ
歯並びを整えることは将来的な話だけでなく、毎日美味しいご飯を食べられることや、力一杯運動することができるなど、今現在の生活にも大きく関係します。
毎日楽しく過ごすことにつながることを、愛情を持ってお子さんに伝え、親子で治療に取り組んでいただきたいと思います。
もちろん、私達スタッフも全力でサポートいたしますので、お子さんの歯並びについて気になることがあれば、どんなことでもご相談ください。
Check Point
■幼児の矯正治療は顎の健やかな成長を促すことが目的
■3歳児検診で「反対咬合(下顎前突、受け口)」、「交叉咬合」といわれたお子さんは要相談
■学校の歯科検診で「不正咬合」と指摘されたら、矯正治療を要検討。
■幼児から始める矯正治療は成長の段階によって1期治療と2期治療がある。
■当院で幼児にマウスピース型矯正歯科装置を使用することがあります。
■幼児の矯正治療の治療期間は2年前後で、通院頻度は1ヶ月に1回
■当院での幼児の1期治療の費用はトータルで55~60万円前後