矯正治療の痛みを解説!痛い期間や対処法について
矯正治療は”痛い”や”違和感がある”というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?お友達や親戚の方から矯正治療の感想を聞いて、痛みや違和感の話を耳にすることもあると思います。
ワイヤーなどの材料の進化や弱い力で歯を動かすことで、以前の矯正治療よりも痛みの少ない治療が可能となりました。しかし、まったく痛くない矯正治療というのはまだまだ難しいところです。できることなら、ご自身や子供の矯正治療中のストレスはなるべく避けたいものですよね。
そこで今回は歯列矯正の痛みや違和感についてご紹介します。
痛みや違和感に関するよくある質問
矯正相談を受けられる方からよく質問される痛みや違和感に関してまとめてみました。
- 矯正治療ってどのくらい痛いの?どんな痛み?ずっと痛いの?
- 装置が口の中にある違和感は?しゃべりにくい?
- 痛みでやめてしまう人っているの?
- 痛い場合の対処法は?
ではこれらについてご説明します。
矯正治療はどんな痛み?痛い期間は?
痛みに関しては個人差がありあります。
同じ治療をしても全く痛くなかったという人もいれば、結構痛かったという人もいますので一概にこれくらい痛いと言うのは難しいところです。
一般的に矯正治療は歯が浮いたような痛みといわれ、具体的には指で押したりカチカチ噛んだりするときにじんわりと鈍い痛みで、痛い時は固いお肉や野菜を食べる気が失せるような感じです。今まで体験したことない感覚の痛みなので、最初は気になりますがだんだんと慣れてきます。
矯正中の歯に動く痛みに関しては常にずっと痛いというわけではありません。
新しい装置やワイヤーを装着して、力が加わってからの最初の2~3日は特に先ほどお伝えした鈍い痛みや人によっては疼くような感覚になり、だいたい1週間後にはどのような痛みも消えてくる傾向にあります。
そのため、力が加えてから2~3日の食事メニューに硬いものは控えたほうがよいかもしれません。
加えて特に、大人の方で初めて歯を動かす時やガタガタの度合いが強い方の場合は、一時的に疼くようなズキズキした痛みで治療の最初の頃は苦労することもあります。
痛みで日常生活や仕事などにも支障が出るのが心配であれば、歯科医師と相談しながら日程を決めると良いでしょう。
また、初めてのことは誰でも心配になるものです。ましてや口の中で今まで体験したことのない違和感や痛みで心配や不安になる方もいらっしゃるでしょう。
精神的なストレスは痛みをより強く感じやすくするため、治療に関して何か分からないことや不安なことがあれば歯科医師やスタッフに相談し、必要であれば痛み止めを処方してもらいましょう。
装置が口の中にある違和感は?しゃべりにくい?
矯正装置といっても結局は今までお口になかった異物ですので、装置を付けたばかりの時はとても変な感覚になります。
装置に慣れるのに1週間はかかると思っても良いでしょう。
具体的には装置が頬や舌や唇の裏側が擦れたり当たったりして口内炎ができる場合があります。
表側の装置であれば頬や唇の裏側が、内側の装置であれば舌が擦れて痛くなる場合もあります。頻繁に口内炎になるようであれば歯科医師に調整してもらいましょう。
装置によっては舌を動かすタ行やラ行などの発音が最初は難しくなりますが、これも生活していくうちに慣れてきます。
痛みでやめてしまう人っているの?
これまでの内容を読んで
「なんだか仕事に生活が出そうだから諦めようかな、、、、」
「うちの子供は痛みで続けられないかも、、、、」
と心配される方もいらっしゃると思いますが、痛みが原因で矯正治療を断念される方はほとんどいませんのでご安心ください。
全く痛みや違和感のない治療というのは現在の技術では難しいところですが、痛み止めの処方や加える力をコントロールするなどの工夫によってなるべくストレスを少なくすることは可能ですので歯科医師に相談しましょう。
強い痛みが出た場合の対処法
もし、生活に支障が出るような痛みや違和感がでてしまった場合にはどうすればよろしいでしょうか?ここでは原因別に、効果的な対処法についてご紹介します。
歯が動くことによる痛み
■鎮痛剤(痛み止め)の服用
歯が動く痛みで学校生活や仕事に影響が出る場合には、我慢せずに鎮痛剤(痛み止め)を服用することも1つの手段です。
痛みが予想される場合には、歯科医院で処方してくれる場合もあります。
鎮痛剤の種類にもよりますが、あまり多用しすぎると胃腸への負担や歯の動きを阻害する副作用がありますので、歯科医師の指示に基づいて服用しましょう。
■レーザー
歯科医院によっては矯正治療にあわせてレーザー治療をするところもあります。
様々なタイプのレーザーがありますが、矯正治療で行うレーザーでは動かしたい歯の周りにある組織を温めて血行を良くし、発痛物質や炎症物質を洗い流すことで痛みや炎症を減少させる効果が期待されています。
装置が当たることへの痛み
■歯列矯正用ワックスの使用
ワイヤーの端っこが頬に当たって痛い、唇の裏側が装置に擦れて痛いなどの場合には歯列矯正用のワックスを使用しましょう。
矯正専門のクリニックであれば大抵取り扱っています。
ワックスは種類にもよりますが100円~1000円くらいで販売されています。傷口や口内炎ができてしまうと、さらに装置が当たりやすくなり悪化するという悪循環に陥りますので早めに対処しましょう。
クラリネット、フルート、トランペットなどの管楽器を演奏する際は唇の裏側が装置に食い込んで傷つきやすいので、前歯のブラケット装置にワックスを装着すると幾分か楽になります。
最終的にワックスだけでは解決できない場合にはクリニックに連絡して相談しましょう。
■矯正器具を触る癖を無くす
小児矯正で子供がお口の中にある装置を舌でいじってしまったり、遊んでしまったりすることで慢性的な刺激により舌を痛めてしまうことがあります。
そのような癖がある場合にはなるべく無くすようにする必要があります。
舌を痛めるだけでなく、装置が外れてしまう原因にもつながってしまいます。
その他
■通院ペースを守る
治療した日から時間が経つほど、歯や装置が動いてお口の中の状況が変わるためトラブルが出やすくなりますので予約通りの通院を心がけましょう。
様々な理由で予約変更が必要になった場合にも、直前ではなく早めに連絡することで期間を開けずに希望通りの日程が取れやすくなります。
■食事するものや食べ方
歯が痛い時に固いお肉等はなかなかお食事するのは大変ですので、食事のメニューを工夫する必要があります。
また、口に入れる前に切り分けて小さくするなどの食べ方の工夫なども痛みや違和感を減らしてくれます。
■毎日の歯ブラシ
歯ブラシをきちんとしないと虫歯になりやすくなることはもちろんのこと、歯茎などの歯周組織に炎症が起こる原因となり、痛みへとつながります。
特に装置周りには食べカスや歯垢(プラーク)が溜まりやすいので、食事後には必ず歯ブラシをする習慣をつけましょう。
■信頼できる矯正専門の歯科医院での治療
装置のトラブルなどに即時で対応してくれるクリニックでの受診をおすすめします。
多くの矯正専門の歯科医院では矯正専門医が常勤ですので、痛みや違和感に対して適切に対処してもらうことができます。
また、不安は痛みを増強させてしまうと言われていますので、安心して治療を受けるという意味でも矯正専門である方がよいかもしれません。
矯正治療の痛みを解説!痛い期間や対処法についてのまとめ
矯正治療は昔に比べて、弱い力で歯を動かすことが主流となり痛みの度合いもいくらか減少しているといわれていますが、残念ながらまったく痛くない、違和感のない矯正治療というのは難しいのが現実です。
しかし、ご紹介した対処法等を参考にしていただけるだけでもいくらか矯正治療中の生活が楽になりますので実践してみましょう。
矯正治療の痛みや違和感を乗り越えて得られた歯並びはきっと豊かな人生を送る手助けをしてくれるはずです。