子供の歯並びが悪い場合、いつ相談すればよい?
歯並びはお口や体の健康に大きく影響するだけでなく、スポーツのパフォーマンスや他人からの第一印象を大きく左右させる要因の1つとして考えられ、子供のうちから矯正治療を希望される方が増えています。
これからの将来がある自分の子供には健康な体で就職活動、結婚式など人生のイベントをスムーズに過ごして欲しいと願う親としては、歯並びや矯正治療も気になる一つだと思います。
その一方で、痛みに対する負担が心配で大人になってから矯正治療させればいいかなとお考えの方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
今回は、そのような方に子供の矯正治療が必要な理由やメリット・デメリット、矯正相談を受けるタイミングについてご説明します。
子供の矯正治療ってどんなことするの?子供の矯正が必要な理由?
子供の矯正治療であごを広げるという言葉を耳にすることがあるかと思いますが、それ以外にも成長方向を整えることがでよく行われます。
どちらも成長が終了した大人では難かしく、子供の期間だからできるのです。
では、子供と大人のそれぞれの矯正治療でかみ合わせをどのように整えていくかをご説明します。
かみ合わせは4つの位置で決まる
かみ合わせは大きく分けて、上あごの骨、上あごの歯、下あごの歯、下あごの骨の4つの前後的位置により決まります。
では、次に下の図で子供と大人の矯正治療の場合別に↔◯(矯正治療で前後に動かせる)と↔☓(矯正治療で前後に動かすことができない)で動かせる箇所を示します。
子供の矯正治療の場合
子供の矯正治療の場合、あごの骨と歯を動かすことができます。
かみ合わせで悩まれている方の多くは、実は歯の位置だけでなく、上あごと下あごの前後的なズレやあごの幅に問題があります。
この上下のあごの大きなズレや幅の問題に対し、子供の矯正治療であごの骨の前後的位置や幅を整え、悪いかみ合わせの原因を除去できることで良いかみ合わせが作りやすい環境になります。
大人の矯正治療の場合
大人のの矯正治療の場合、歯のみしか動かすことができません。
そのため、大人の矯正治療からスタートした場合では、歯を動かすことのみでかみ合わせを整えなくてはいけないので、歯を抜いて動かしたり、ズレが大きい場合にはあごの骨を切
る手術が必要となる可能性が高くなります。
子供の矯正治療のメリットとデメリットは?
子供の矯正治療にはメリットがある一方で、もちろんデメリットもあります。
デメリットもしっかりと把握した上で、子供の歯列矯正を受けるようにしましょう。
子供の矯正治療のメリット
①あごを整えることで、将来的に大人の矯正治療が必要になった際に抜歯や手術をする可能性を減らせる。
②子供の矯正治療だけでよいかみ合わせを得られた場合、大人の矯正をやらないですむ可能性がある。
③子供の骨は柔らかいので、大人で矯正をする場合よりも歯を動かす時の痛みは少なくてすむ。
子供の矯正治療のデメリット
①装置が口の中に入るため、きちんと歯ブラシをしないと虫歯になりやすい環境になる。
②大人の矯正治療が必要になった場合、結果的に治療期間の合計が長くなる。
③月に1回の頻度での通院が必要
歯並びの相談はいつ頃?
学校の歯科検診やかかりつけの歯医者さんで歯並びを指摘され、歯並び相談を受けられる方が多いようです。
お子様の歯並びでお悩みのご両親にとっては困惑してしまいますよね。では、いつ頃矯正専門のクリニックに歯並び相談すればよいでしょうか?
一般的には小学校2〜3年生頃に一度、矯正専門の歯科医院に相談に行き、お子様の歯並びの現状を把握し、その上で、矯正治療をするかしないかを判断するのがよいとされています。
そして矯正治療を開始するのであれば、お子様の歯並びや生活環境の状況を考慮して、開始時期が決まります。
当院の歯並び相談でわかること
当院では矯正相談時に口腔内を見るだけでなく、パノラマX線写真という顔全体のレントゲン写真を1枚撮影します。
そうすることで、デコボコや受け口などの見た目でわかる歯並びに加えて、目には見えない顎の骨の中にある永久歯の状態がわかります。
永久歯の状態とは例えば、、、、
・永久歯が先天的に無い
・あごの骨の中にある永久歯が変な方向を向いている
などです。
よく見られる永久歯のトラブル
では、実際によくみられるトラブルを見ていきましょう。もしかしたら、お子様もこの中のどれかが該当しているかもしれません。
将来的に矯正治療または補綴治療(入れ歯やブリッジ)が必要になってきますし、早めの対応が求められます。
先天性欠如
下あごの前から5番目の左右の永久歯が先天的にないことがわかります。
なんと、永久歯が足りないお子様の確率は10人に1人ともいわれています。
また近年、永久歯が足りない子が増えており、遺伝とも関連しているともいわれているためご両親や親戚で歯が足りていない方がいる場合は要注意です。
永久歯がない場合 、その場所の乳歯は抜けずそのままになりますが、永久歯に比べて虫歯になりやすかったり、歯の根っこが短いこともあり、乳歯の寿命は平均で20〜40歳でダメになってしまうというデータがあります。
このような場合、乳歯はできるかぎり抜かないで様子を見るか、乳歯を抜いて矯正治療で周りの歯を動かすまたは、ブリッジや入れ歯などで人工歯を取り付けてすき間を埋めるのか
などの様々な治療プランが考えられます。
犬歯の異所萌出
上あごの前から3番目の左右の歯が本来生えるべき方向に向かず、斜めに向いてしまっています。
この状態を放置しておくと、3番目の歯が隣の2番目の歯の根っこをどんどん溶かしていくため、早めの対応が求められます。
しかも無症状で進行するのが恐ろしいところです。
このように、早めに永久歯の現状を知っておくと、治療プランの選択肢が増えますし、ご両親やお子様の準備や心構えが変わってくると思います。
子供の矯正治療ってなぜ必要?いつ歯並びの相談すればよい?のまとめ
子供の矯正治療は塾や習い事などにより、通院が難しいと考えてついつい先延ばしにしてしまいがちです。
しかし、成長がある子供の時期から矯正治療を行うことで大きなメリットを得られるようであれば検討されるのも1つではないでしょうか。