目立ちにくいマウスピース型矯正歯科装置はどんな治療!?注意点を徹底解説!

マウスピース矯正ってどんなもの

歯列矯正に興味はあるけれど、矯正器具が目立つのは嫌だし、矯正器具によって日常生活が不自由になってしまうかも……と考え、なかなか歯列矯正にチャレンジできないという人もいるかもしれません。

そんな人には、マウスピース型矯正歯科装置がおすすめです。

これまで歯列矯正でもっともネックだった見た目の問題が軽減されるほか、必要に応じて取り外しが可能なので、食事や歯磨きなどの日常生活も普段通りに行うことができます。

今回は、マウスピース矯正についてご紹介します。

 

マウスピースによる矯正ってどんな治療?

マウスピース矯正ってどんな治療

マウスピースは顎関節症用やスポーツ用など様々な用途に応じて形や色が異なりますが、歯列矯正に使用するマウスピースは薄くて透明で目立たない材質でできています。

従来のブラケット矯正と比べ、見た目が大きく異なることはもちろん、ご自身で取り外しできることが大きな特徴です。

近年、目立たちにくい矯正治療として若い年代の方から中高年の方にも可能なマウスピース型矯正歯科装置が注目を浴びています。

 

マウスピース型矯正歯科装置ってどんな人に向いている!?

マウスピース矯正ってどんな人に向いている

様々な矯正器具がある中で、特に向いているのは以下のような方です。

  • 周りの人に気付かれないで矯正治療をしたい人
  • 仕事の関係上、見えない矯正治療が必要な人(キャビンアテンダント、アナウンサーなど)
  • 装着時間を自分で管理し、毎日きちんと装着することができる人
  • 金属アレルギーがある人
  • 複雑な歯並びをしていない、矯正治療後の後戻りがある人

 

マウスピース矯正のメリット

取り外し可能で衛生的

マウスピースによる矯正は、自分の歯の形に合わせて作った透明のマウスピースを装着し、定期的に新しいマウスピースに交換しながら、少しずつ歯を動かしていく治療方法です。

食事や歯磨きの際や、仕事の都合で矯正器具を見られたくない場合など必要に応じて取り外すことができるので、一度装着したら長期間取り外しができないブラケット矯正と比べて、日常生活の負担を感じにくいことがあげられます。

メリットについて細かくご紹介していきましょう。

 

メリット1.審美性が高い

審美性が高い

マウスピース自体は透明なので装着していても目立ちにくく、ブラケット矯正のように器具やワイヤーが目立つことがないので、審美性が高い治療方法だといえます。

 

メリット2.取り外しができる

取り外しができる

一度装着すると長期間取り外しができないブラケット矯正に比べ、どうしても矯正器具が見られたくない場面や食事、歯磨きなどの際には取り外しができます。

マウスピースを外して普段通り食事や歯磨きができるので、日常生活の負担が軽減されています。

矯正器具の間に汚れが溜まったままになることや、歯磨きがしづらく汚れをしっかり取り除けないことも少ないので、虫歯や歯周病のリスクが少なくなることや、マウスピースを洗うこともできるので衛生的なメリットも高いといえます。

 

メリット3.治療中の痛みが少ない

治療中の痛みが少ない

マウスピース矯正は痛みが少ない矯正といわれています。マウスピースを交換する度に歯を動かす量が精密に決まっており、これに必要な最小限の力を加えていくため、ブラケット矯正に比べて過度な力がかかりにくいためです。

 

メリット4.違和感が少なく、口の中を傷つけにくい

口の中を傷つけにくい

マウスピースの厚みは0.5mm程度で薄く滑らかな素材でできており、ブラケット矯正のようにデコボコとした器具を歯に装着しないことから、違和感は少なくて口内炎にもなりにくいといわれています。

 

メリット5.急な装置のトラブルに対応しやすい

急な装置のトラブルに対応しやすい

装置のトラブルが出てしまった場合にすぐに来院して対応してもらうのがもちろんベストですが、お仕事やお友達との前から約束してた予定が入っており、すぐの来院ができないケースもあると思います。

そのような場合に対応してもらうまでの間、ブラケット矯正では仕事中やお食事中の違和感や痛みを我慢しなければなりません。

一方で、マウスピース矯正であればそれまでの間、現在使用中だったマウスピースをつけないだけで済みます。

また、前回使用していたマウスピースをつけることでそれまでの間に歯がもとに戻ることを防げます。

 

メリット6.食事制限がない

食事制限がない

ブラケット矯正の場合、のりやホウレン草が装置にからまりやすかったり、おせんべいや厚い肉などの固い食べ物は注意して食べないと装置の破損を引き起こす問題があります。

一方、マウスピース矯正であれば、食事中は装置を外した状態なのでどの食事も気にせずに食べることができます。

 

メリット7.金属アレルギーの人でも治療可能

金属アレルギーの人でも治療可能

治療で使用するマウスピースには金属を使用していないので、これまで金属アレルギーなどで歯列矯正ができなかった人でも、マウスピース矯正なら治療が可能です。

 

メリット8.虫歯の治療中でも可能

虫歯の治療中でも可能

簡単に取り外しができないブラケット矯正だと、虫歯がある場合は先に虫歯治療を完了させてから行う必要があります。

しかしマウスピース型矯正歯科装置は取り外しができるので、虫歯の治療中の方でも矯正治療を並行して行うことが可能。

そのため、矯正治療中に虫歯になったときも、矯正治療を中断することがありません。

 

マウスピース矯正のデメリット

これまで一般的だったブラケット矯正に比べてメリットの多いマウスピース矯正ですが、もちろんデメリットもあります。

 

デメリット1.自己管理が甘い人はおすすめできない

自己管理が甘い人はおすすめできない

症状や種類によっても異なりますが、基本的には1日20時間以上マウスピースを装着しなければなりません。

頻繁に取り外してしまうと、矯正治療の進み具合が遅くなり、思うような効果が得られないこともあります。

 

デメリット2.マウスピースをつけたままで飲食できないものがある

マウスピースをつけたままで飲食できないものがある

マウスピースをつけたまま温かいスープ、ホットのコーヒーや紅茶を飲んでしまうと装置の変形につながりますので、いったん外してから飲む必要があります。

また、アイスのコーヒーや紅茶でもマウスピースと歯の間に入り込んでいると歯の着色の原因となりますので基本的には外した方がよいでしょう。

マウスピースを装着中は砂糖や着色料の含まれていない水がよいとされています。

 

デメリット3.治療期間が長くなる場合がある

治療期間が長くなる

装置の使用期間が十分でない場合、またはマウスピース矯正には不向きの歯並びであった場合には治療期間が長引いてしまう恐れがあります。

自己管理と正確な治療計画を立てられる歯科医院選びが重要です。

 

デメリット4.治療開始までにマウスピースの作成時間がかかる

治療開始までにマウスピースの作成時間がかかる

歯型や口腔内スキャンからマウスピースを作り始めるため、2〜4週間ほど待つ必要があります。

 

マウスピース型矯正歯科装置の注意点やお手入れってどんな感じ?

 

具体的にどんなことを気をつければよろしいでしょうか?

マウスピース型矯正歯科装置による治療を始める前に、まずは確認してみましょう。

 

マウスピースの使用状況の記録について

マウスピースの使用状況の記録

手帳やスマホアプリを利用して、マウスピースを交換した時期や装着時間の記録をとるとよいかもしれません。

そうすることで、歯科医師との会話で具体的なアドバイスを受けることができ、治療がよりスムーズに進むでしょう。

また、記録をとることでご自身のモチベーション維持につながる効果もあります。

 

マウスピースの保管について

マウスピースの保管について

マウスピースは透明で薄い装置であるが故に、通常の装置と比べて紛失や破損につながりやすいものです。

外すときは専用ケースに必ずしまうようにしましょう。

また、ペットや小さなお子様がいる方は要注意です。

マウスピースをいたずらしてしまい、発見したときにはボロボロになんてことも考えられます。

そのような方は専用ケースに入れるだけでなく、手の届かないところに置く必要があります。

 

マウスピースの手入れについて

マウスピースの手入れ

1日20時間以上はつけておく必要があるマウスピース。

少なくとも1~2週間は同じマウスピースを使用するため、清潔な状態で使用しないとマウスピースの劣化・変色、口臭や虫歯の原因になります。

基本的には流水で指や歯ブラシで汚れを洗い流します。

歯ブラシを使用する際は、歯磨き粉はつけずに優しく磨きましょう。

歯磨き粉をつけて歯ブラシでガシガシ磨いてしまうと、歯磨き粉に含まれる研磨剤がマウスピースの表面を傷ついてしまい、劣化の原因になってしまいます。

また、臭いや着色が気になるようであれば、より衛生的に洗浄できる洗浄剤が歯科医院や薬局でも販売しているのでそちらを使用するとよいでしょう。

装置の変形につながる熱湯消毒やアルコール消毒は厳禁です。

 

もっとも一般的な矯正方法「ブラケット矯正」との比較


矯正治療といえば、金属製の器具を歯の表側に取り付ける「ブラケット矯正」をイメージする人も多いですよね。

歯列矯正のなかではもっとも一般的な治療方法で、歯の表側につけて歯並び全体を矯正する方法のほか、歯の裏側につけて目立ちにくくする方法や、気になる歯だけをピンポイントで矯正する方法など、ブラケット矯正のなかにもいくつかの種類があります。

それぞれと比較してみましょう!

 

表側のブラケット矯正とマウスピースによる矯正

「ブラケット矯正」との比較

表側のブラケット矯正はマウスピース矯正と比べ、複雑な歯並びに対応しやすいこと、矯正治療の中では比較的費用を抑えられることがメリットとしてあげられます。

その一方で、矯正器具の隙間に汚れが溜まりやすく虫歯や歯周病のリスクが高まるというデメリットや一度装着すると長期間取り外すことができないので、慣れるまでは不快感や違和感があることも。

見た目に関しては、表側のブラケット矯正は金属製で目立ちやすいイメージが強いですが、最近では白や透明のブラケットが使われ、以前に比べて目立ちにくく見た目の問題が改善されつつあります。

しかし、歯の表側にブラケットを装着するという点では、マウスピース矯正に比べてどうしても見た目の問題が残ります。

 

裏側のブラケット矯正とマウスピース矯正

裏側のブラケット矯正とマウスピース矯正

裏側矯正はブラケット矯正のひとつで、矯正器具を歯の表側ではなく裏側(舌側)に取り付ける方法です。

歯の表面に器具を取り付けないことで、マウスピース矯正と同じように一目見ただけでは矯正治療を行なっていることがわかりにくいことがメリットです。

しかし、歯の裏側に装着することで常に舌と器具が触れ合ってしまうので、慣れるまで不快感や違和感があります。

また、歯の裏側に複雑な器具をつけることで、歯磨きがとてもしづらくなります。

費用も一般的に表側のブラケット矯正やマウスピース型矯正歯科装置と比べて高くなります。

 

ブラケットによる部分矯正とマウスピース矯正

ブラケットによる部分矯正とマウスピース矯正

ブラケットによるに部分矯正では、歯並びの改善したい部分だけに矯正器具を装着します。

動かしたい歯だけをピンポイントに治療するため、治療期間は他の矯正治療に比べて少し短く、一部分しか器具を使わないことから費用を抑えることがメリットです。

全体的な矯正とは異なり、部分的な矯正を目的とするため、当然歯並び全体を改善することは難しくなります。

また、一部分だけ改善すると、矯正治療を行なっていない部分が逆に目立ってしまうこともあります。

矯正治療を急いでいる、部分的な矯正だけを行いたい方に向いています。

ブラケット以外にもマウスピースを用いた部分矯正を取り扱っているクリニックもあります。

 

ブラケットそれぞれの矯正器具矯正のまとめ

 表側のブラケット裏側矯正部分矯正マウスピース矯正
費用60〜100万円110〜150万円15〜60万円80〜110万円前後
期間2年2〜3年半年〜1年2〜3年
メリット複雑な歯並びにも対応矯正器具が見えにくい気になる部分だけを治療できる。費用も抑えられる取り外しができる、衛生的
デメリット見た目が目立つ舌が当たりやすく違和感がある全体の噛み合わせは治せない頻繁に取り外すと治療の進みが遅くなる

 

マウスピース型矯正歯科装置の現状

マウスピース矯正の現在

マウスピースによる矯正治療は年々注目が高まっており、マウスピース専門の矯正クリニックができるほどに。

昔と比べて、マウスピース型矯正歯科装置の可能性はどんどんと広がりつつあります。その現状をご紹介します。

 

複雑な歯並びにも対応可能!進歩するマウスピース矯正

進歩するマウスピース矯正

これまでマウスピースによる矯正治療は、比較的軽度の歯並びを整えることに適しているといわれ、複雑に入り組んだ歯並びや乱杭歯と呼ばれる歯並び、八重歯などはマウスピースでは治療が困難だと考えられていました。

しかし近年マウスピース型矯正歯科装置は進歩し、これまで難しかった複雑な歯並びにも対応が可能になり、歯列矯正を望む人の選択肢は徐々に広がっています。

 

マウスピース型矯正歯科装置は高度な治療。複雑な歯並びに対応できない歯科医師も……

マウスピース矯正はとても高度な治療

マウスピース矯正に対応できる症例が増えているとはいえ、マウスピースによる矯正は高度な知識と技術が必要になるため、症状によって対応できる歯科医師とそうでない歯科医師がいることも覚えておかなくてはいけません。

マウスピースを希望する場合は、自分の歯並びが対応しているかどうか、事前カウンセリングでしっかりと確認しておくとよいでしょう。

また、もしマウスピースが難しいと判断されても、他のクリニックなら対応可能な医師が在籍していることもありますので、いくつかのクリニックに問い合わせてみることもおすすめします。

歯並びはその人の印象や見た目を左右し、日常生活にも大きく関係します。

期間も長く費用も決してけして安いものではないので、納得のいく治療を受けることも、歯並びを改善するために大切なことなのです。

 

マウスピース+ブラケット矯正で、幅広い歯並びに対応!

マウスピース+ブラケット矯正

複雑な歯並びにも対応できる症例が増えたとはいえ、やはり症状によってマウスピースによる矯正は難しい、思うような効果が得られないかもしれないと判断される場合もあります。

そんなときには、先にブラケット矯正である程度まで歯並びが改善されてからマウスピースに変えるといった方法もあります。

この方法なら、幅広い複雑な歯並びでも対応できるほか、目立ちやすい矯正器具をできるだけ早く取り外すこともできます。

ただし、異なる治療方法を組み合わせることで費用面で少し割高になってしまうこともあります。

カウンセリング時に歯科医師に相談し、最適な治療方法を相談することをおすすめします。

 

歯列矯正で失敗しないためのクリニックの選び方

歯列矯正で失敗しないためのクリニックの選び方

高額な費用と長い時間をかけて行う歯列矯正。

思うような効果が得られなかったり、納得のいく治療ができなかったり、また治療を続けるのが嫌になってしまうようなクリニックであってはいけませんよね。

歯列矯正を行う際には、どんな点に注意してクリニックを選べばいいのでしょうか。

 

歯列矯正専門のクリニックを選ぶ

歯列矯正専門のクリニックを選ぶ

一般歯科医院と歯列矯正専門のクリニックでは、治療結果の質が大きく異なる場合があります。

そのため、できるだけ歯列矯正を専門に行なっているクリニックを選ぶ方が安心です。

歯列矯正を専門に行なっているクリニックは、やはりさまざまな歯並びを経験してきたという経験や実績があります。

特にマウスピース矯正は高度なテクニックが必要なので、マウスピース矯正を得意としているクリニックや経験豊富なクリニックの方が安心です。

 

カウンセリングがわかりやすい

カウンセリングがわかりやすい

矯正治療を行う前には、まず事前カウンセリングを行なって治療についての説明を行います。

その際、料金や治療の流れ、治療方法の説明などがわかりやすいかどうか、明確に提示されているかどうかを確認しましょう。

長期にわたって通院・治療を行うわけですから、わからないところや疑問を抱いたまま矯正治療を行うことはオススメできません。

こちらの疑問にきちんと答えてくれるか、適切な説明がされているかなどのポイントに注意。

もし不安な場合は、別のクリニックを視野に入れてみると良いでしょう。

 

料金の説明が明確

料金の説明が明確

歯列矯正は、治療器具にかかる費用のほかに、治療をスタートする前の精密検査や診察、治療中の定期的な検診、治療後もアフターメンテナンスや定期検診の費用が必要なります。

こうした費用をすべて含めた価格なのか、治療費以外に必要になる費用はいくらなのかを明確に提示しているクリニックの方が安心です。

治療中に思ってもみなかった費用が発生したら、場合によっては治療を進めていけなくなることもあります。

 

まとめ


歯列矯正のなかでも、とくに審美性や利便性が高いマウスピース矯正。

仕事やプライベートの問題で矯正治療に踏み切れなかった人は、是非一度マウスピース矯正を検討してみてはいかがでしょうか。

 

Check Point

■歯列矯正に使用するマウスピースは薄くて透明、目立たない材質

■仕事上見える矯正器具を使うことが困難な人や金属アレルギーのある人に向いている。

■マウスピース型矯正歯科装置は装着時間や保管などの自己管理が治療結果に大きく影響する。

■期間は2~3年前後

■費用の相場はトータルで80~110万円前後。

■歯科医院選びは慎重に、なるべく矯正専門クリニックで受けましょう。

 

歯並びでお悩みの方、
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