子供の矯正はいつから?費用の相場や期間はどれくらい?


お子さんが将来的に健康な歯と素敵な笑顔で過ごすために、歯並びを美しく整えておくことはとても大切なことです。

子供に歯列矯正の治療を受けさせたいと思っても、歯列矯正をいつから始めればよいのか、どんな治療をするのか、どれくらいの期間がかかるのか、わからないことばかりでお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、子供の歯列矯正を始めるタイミングや治療方法、費用などの疑問を全て解消します!

子供の歯列矯正の時期と子供から始めるメリット

 

子供の歯列矯正はいつがベスト?

矯正歯科に通い始める最適なタイミング

子供の歯列矯正の開始時期は歯の生え変わりや歯並びの状態によって異なりますが、
一般的には、乳歯から永久歯に生え変わる6歳頃〜10歳頃、小学校低学年〜中学年に治療をスタートさせるのがよいといわれています。

乳歯列期や混合歯列期の段階であれば骨や歯根は柔らかく、矯正器具で顎や歯を動かすことが比較的容易なため、歯を抜かないできれいに並べられる可能性が高くなります。

また、骨や歯根が柔らかいことで大人から矯正治療を開始して歯を動かすよりも、子供の矯正治療は痛みが少ないといわれています。

歯の生え変わりや体の成長以外にも、中学校受験や引っ越しの有無によって歯列矯正を始めるタイミングが大きく関係してきます。

まずは歯科医に相談をし、お子さんの生活に合わせた無理のないタイミングで始めるようにしましょう。

 

子供の歯列矯正のメリットって?

子供の歯列矯正のメリット

「歯並びが悪いと思うけれど、歯列矯正をするほどの症状なのかな……」と判断に迷ってしまうこともありますよね。

歯列矯正は決して安いものではないですし、長期間器具を装着することで子供にもストレスがかかってしまうこともあって、なかなか歯列矯正を決断できない人も多いようです。

子供の歯列矯正のメリットをまとめてみましたので参考にしてください。

 

将来の虫歯や歯周病を防ぐ

虫歯や歯周病を防ぐ

歯列矯正によるメリットでもっとも注目したいのは、綺麗な歯並びは虫歯や歯周病などお口の中のトラブルを予防という点でしょう。

噛み合わせが悪いと、歯と歯の重なり合った部分に汚れが溜まりやすくなって虫歯のリスクが上がります。
複雑に入り組んだ部分は歯ブラシやデンタルフロスなどが届きにくく、いくら毎日歯磨きをしていても虫歯や歯周病などになりやすいのです。

歯列矯正によって歯並びが良くなると、毎日の歯磨きできちんと汚れを落とすことができるので、虫歯や歯周病などトラブルのリスクが格段に下がります。

 

咀嚼力の向上、唾液の分泌を活性化する

咀嚼力の向上、唾液の分泌を活性化する

歯並びの悪さは咀嚼力や唾液の分泌などにも影響を及ぼします。

噛み合わせが悪いと、食べ物を噛むときに左右均等に力がかからなかったり、一部の歯だけに極端に強い負担がかかってしまい、食べ物を噛み砕く力(=咀嚼力)が低下してしまいます。

食べ物をしっかりと噛み砕けないと、消化を促進する、虫歯など菌の繁殖を防ぐ、口の粘膜を保護する、歯の表面を強化するなどといった、子供の成長や健康に欠かせない役割を持つ“唾液”の分泌が低下し、消化不良になったり栄養の吸収が十分に行われなくなってしまいます。

他にも、受け口や出っ歯などで歯の隙間から空気が入ることにより、お口の中が乾いて唾液の量が減少してしまうことも考えられます。

 

発音・発声がスムーズ

発音・発声がスムーズ

歯並びが悪いと滑舌が悪くなり、発音や発声に影響が出ます歯と歯の隙間から空気が漏れてうまく言葉を発することができなくなったり、サ行やタ行がうまく言えず幼児言葉のような発音になってしまうことも。

日常生活に支障はないとはいえ、大人になってからコンプレックスとなったり、将来人前で話す職業に就いたなら仕事に影響を及ぼすことも考えられます。

歯並びを直し、口腔周囲筋を機能させることで正しく言葉を発することができるようになります。

 

顔や体の歪みを防ぐ

顔や体の歪みを防ぐ

歯並びや噛み合わせが悪いと、左右均等に力がかからないため筋肉が常に緊張した状態になり、やがて体や顔のゆがみや姿勢の悪さに繋がります。

筋肉の緊張や体の歪みは、そのまま放置すれば血管や神経を圧迫して血流が悪くなり、やがて肩こりや腰痛、頭痛など様々な症状があらわれることも。

歯列矯正を行うことで、体の歪みや将来的な体の不調の予防につながります。

 

本来の運動能力を引き出す

本来の運動能力を引き出す

体の筋肉が歪んで左右のバランスに差が出ると、力を入れる時に十分に歯を食いしばれなかったり左右均等に筋肉を動かせなかったりと、運動機能を十分に発揮できなくなります。

体が本来持っている運動能力を引き出しやすくするため、一流のアスリートであればあるほど体の歪みや歯並びをとても大切にしているといいます。

歯並びを正しくすることは、健康だけでなく才能の発揮にもつながるのです。

 

見た目の悩みがなくなる

見た目の悩みがなくなる

子供の頃は気にならないものですが、大人になってから歯並びが悪かったり、出っ歯や受け口といった見た目のせいでコンプレックスを感じてしまうこともあります。

「そんなことで……」と思うかもしれませんが、歯並びが悪い人にとっては非常に大きな悩みで、なかには仕事に支障が出たり、恋愛に消極的になってしまったり、人と会ったり話しをすることを避けてしまう人も。

思春期の多感な時期に歯並びが悪いことで人目を気にして外に出るのが苦痛に感じてしまうなど、歯並びが悪いことは本人にとって大きな問題なのです。

子供のうちから矯正治療を始めれば、将来の歯並びに対する悩みも減らすことができます。

 

 

子供の歯列矯正の器具や装置ってどんなもの?

 

歯列矯正に使う器具にはさまざまな種類があります。

仕上がりや治療期間、見た目など、何を重視するかによって選ぶ器具や治療方法も変わってきます。

 

ブラケットによる矯正

 

■セラミックブラケット・プラスチックブラケット

より目立たないワイヤー

セラミック製(白い陶器)のブラケットやプラスチック製の透明なブラケットで歯の1本1本をワイヤーにつないで行う治療です。

器具が目立ちにくいという特徴があります。

金属のブラケットに比べると耐久性は劣るものの、日常生活に支障が出るほどでもないため、子供の歯列矯正では一般的に使用されています。

 

■リンガルブラケット

リンガルブラケット

歯の裏側に装着するタイプのリンガルブラケットは、歯の表に器具をつけないので一般的なブラケットに比べて見た目を気にする必要がありません。

また、金属製やプラスチック製、セラミック製と治療期間はさほど変わりません。

歯の裏側に装着するため、歯磨きが少し困難になります。

 

■金属製ブラケット

強度のあるブラケット

大人の歯列矯正でも幅広く使われているのが金属製のブラケットです。

耐久性も高く、コストも比較的安価です。

 

ブラケット以外の固定式の器具による矯正

 

■固定式拡大装置

固定式の拡大装置

顎や歯列の幅を広げるために使用する固定式の拡大装置です。

常にお口の中に入っているため、装置の効果が十分に発揮されやすいです。

装置が入った状態で会話や食事に慣れるのにおよそ1週間程かかる場合があります。

 

取り外しが可能な矯正器具による矯正

 

■拡大プレート

固定式の装置

顎や歯列の幅を広げるために使用する取り外し式の拡大装置です。

食事や歯磨きの時など自由に取り外すことができ、ご自身でネジを定期的に回してゆっくりと広げていきます。

 

■プレオルソ、ムーシールド、T4K

プレオルソマウスピース

主に舌の位置や口の周りの筋肉を整えて、悪いかみ合わせを治すのに使用するマウスピースタイプの矯正装置です。

既製品なので歯型を取る必要がありません。

 

■インビザライン

透明なマウスピースタイプ

透明で薄いマウスピースタイプの矯正装置で、食事や歯磨きの時など自由に取り外すことができます。

患者の歯型に合わせてマウスピースを作成するので、不快感などが少なくぴったりと装着することが可能です。

金属アレルギーで金属製ブラケットが使用できない場合にも使われます。

 

■その他の装置

ほかにも、上顎の発達を抑えるための器具であるヘッドギア、受け口の治療に使われるフェイスマスクやチンキャップ、出っ歯の治療に使われるバイオネーターやツインブロックなどがあります。

これらは基本的には寝ている間だけ装着するもので、日中活動する時には装着する必要がない器具です。

 

子供の歯列矯正の期間について

いつ始めるか

大人の歯列矯正は、早い人で1.5年くらいから長い人で3年、4年くらいかかることもありますが、子供の歯列矯正はそれほど長くはありません。

子供の歯列矯正は乳歯と永久歯が生え変わる時期に行う『第1期治療』、永久歯が生えそろい顎の成長が落ち着いた時期に行う『第2期治療』の2段階に分けて行います。

 

第1期治療(混合歯列期)

第1期治療(混合歯列期)

これから生えてくる永久歯が綺麗に生えそろうように、上下の顎の大きさやバランスを調整する矯正治療です。

小学校の低学年から、遅くても中学生くらいまでの時期に行い、第1期治療の期間は1年〜3年程度

その後、数年経過観察をして第2期治療を行うかどうかの判断をします。

 

第2期治療(永久歯列期)

第2期治療(永久歯列期)

永久歯が生えそろった後に歯並びや噛み合わせを整える治療です。

第2期治療の期間は1年半〜2年程度ですが、第1期治療を行なった後の経過観察により第2期治療も必要と判断された場合は、トータルの治療期間は2年〜5年程度になります。

 

受け口治療(乳歯列期、混合歯列期)

受け口の治療には、プレオルソやムーシールドというマウスピースを使用する治療が行われます。

3歳以降でまだ顎の骨が発達段階のうちに、1年ほどマウスピースを装着します。

 

 

子供の歯列矯正の費用の相場は?保険はきく?歯の矯正は医療費控除の対象?

 

歯列矯正の費用について

治療費

年齢や症状、治療期間や使用する器具などによって治療内容が大きく変わり、費用も変動すると考えてよいでしょう。

では、子供の歯列矯正の費用はどの程度なのでしょうか。気になる費用面についてご紹介していきましょう。

 

①診察費などの初期費用:無料〜6万円

診察費などの初期費用

まずは、矯正治療の相談の診察費用です。

初期費用にもいくつかの段階があり、歯列矯正を専門とする歯科医院であれば相談や簡単な診察などを含む初期費用を無料にしているところもあります。

矯正相談後に歯列矯正を始める場合、まずは治療計画を立てるために精密検査が必要となります。

精密検査では写真撮影、レントゲン撮影、歯型とりなどを行います。精密検査の費用は3~6万円前後かります。

 

➁治療費用:10万円〜120万円

治療費用

矯正治療に進むと、使用する矯正器具によって費用に大きな差が出てきます。

 

■プレオルソやムーシールドによる受け口治療:約10万円

受け口を早い段階で治療するマウスピースタイプのプレオルソやムーシールドを使った治療は、10万前後です。

 

■第1期治療(子供の歯列矯正):約20万円〜60万円

顎の骨格を矯正する固定式器具やプレートを用いた治療は20万円〜60万円程度です。使う器具や治療期間によって費用が異なる場合があります。

 

■第2期治療(第1期治療後の大人の歯列矯正):約30万円〜70万円

第1期治療が完了し、永久歯にブラケットを使用した第2期治療は30万円以上の費用がかかります。

歯の表側につける金属製のブラケットなら30万円〜となりますが、歯の裏側にブラケットを装着するリンガルブラケットになると70万円前後〜と費用が高くなります。

一般的には、第2期治療は通常の成人矯正(第1期治療なしで大人の歯列矯正:約60万円~120万円)の費用から子供の第1期治療の費用を差し引いた金額となるパターンが多く見られます。

歯科医院によっては、第1期治療から継続して行う場合は、少し費用を抑えられる場合もあります。

 

➂それ以外の費用

それ以外の費用

治療前の診察代や治療費以外にも費用が発生する場合があります。

治療が終わったら終了、ではなく定期的なメンテナンスなどの費用がかかることも頭に入れておきましょう。

 

■調整費用(通院ごと):1000円〜1万円
矯正治療中は定期的に歯医者さんで診察を受け、ブラケットの状態や治療の進み具合などを確認する必要があります。

その際、ワイヤー交換が必要になったり、調整が必要になった場合は診察費や調整費がかかります。

 

■メンテナンス費用(治療後):3000円〜1万円
矯正治療で正しい位置に戻った歯を、再び元の位置に戻らないようにするためのメンテナンス費用が必要です。

専門の器具を使用するなど様々な方法があり、費用も一定ではありませんが、数十万円ということはなく数千円〜という費用が一般的です。

 

子供の歯列矯正は保険適用内で治療できる?

一般的な子供の歯列矯正は健康保険の適用外です。

ただし、顎変形症や唇顎口蓋裂といった先天的な病気で、国が認めた特定の症状に当てはまる場合は健康保険が適用されます。

 

子供の歯列矯正は医療費控除の対象

医療費控除

医療費控除とは家族の1年間の医療費が10万円(所得によって上限が異なります)を超えた場合に、一定の金額を所得税から控除してもらえる国の制度です。

子供の歯列矯正は医療費控除の対象となります。

数十万円の歯列矯正費用を丸々負担しなくてはならないというわけではないので、このような制度を活用して治療費を軽減すると良いでしょう。
治療にかかった明細と一緒に確定申告をすることで、医療控除が適用されます。

詳しくは国税庁の医療費を支払ったとき(医療費控除)をご参照ください。

 

多くの矯正歯科医院で見られる2つの支払い方法

一般的な矯正治療の料金体系は次の2つがあげられます。

矯正治療の契約に必要な料金に、矯正基本料金とは別に毎回の診察費や調整費を事前に含めるかの違いです。

 

診察費や調整費の都度払い制

矯正基本料金とは別に通院ごとに処置料を支払うシステムで、大学病院や多くのクリニックで行われています。

診察費や調整費の都度払いのため、初期費用を抑えることができます。

通院回数によって総額費用が増減するため、事前におおよその合計額を確認したほうがよいでしょう。

 

定額制(トータルフィー)

治療を開始するにあたり、基本料金と予想される毎回の処置料の合計を含めた料金を提示するシステムです。

矯正治療の開始から終了までの間に、何回通院したとしても治療費の変動がないため、予想より長引いた場合にはメリットがありますが、早く終了した場合には割高になります。

 

契約時の料金

それぞれの料金体系のメリット・デメリットがありますので、十分把握してから契約しましょう。

また、クリニックによっては治療終了後に装着する保定装置代やその調整料が別途かかる場合がありますので、契約前にしっかりと確認しましょう。

 

まとめ


日本ではまだまだ歯列矯正をおこなう人は少ないものですが、海外では子供のうちに歯列矯正を行うことはもはや常識で、健康面や精神面の両方において将来に関わる重大なこととして考えられています。

大人になってから治療を行うよりも、子供のうちに直しておいた方がスムーズに治療を終えることができるという利点もあります。

もしお子さんの歯列矯正に悩まれている場合は、まずはお近くの矯正歯科医院を訪ね、じっくりと相談してみることをお勧めします。
 

Check Point■乳歯から永久歯に生え変わる6歳頃〜10歳頃、小学校低学年〜中学年に治療をスタートさせるのがよい。矯正相談をすることでお子さんにとって適切なタイミングでスタートできる。

■矯正治療で歯並びを整えることは、お口の健康だけでなく体の成長や見た目のコンプレックスの改善につながる。

■矯正器具は歯並びの状態によって使用する器具が異なり、種類は様々

■子供の矯正治療では第1期治療と第2期治療があり、期間はそれぞれ2年前後

■子供の矯正治療の費用の相場はトータルで20~100万円前後、一般的な矯正治療は保険適応外だが医療費控除の対象

 

 

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