前歯が噛み合わない「開咬」はデメリットだらけ!?原因や矯正治療について解説

開咬

サンドイッチや麺類が前歯でかみきれなくてお悩みではありませんか?

もしかしたら、あなたの歯並びは「開咬」と呼ばれる状態かもしれません。

開咬は見た目だけでなく、歯の寿命にも大きく関係しますので今後の悩みの種になる可能性も、、、

今回はそんな気になる「開咬」について幅広く解説しますので、ご参考にしてください。

開咬とは

「開咬」とは数歯にわたって上下の歯が接触していない状態の歯並びで「オープンバイト」とも呼ばれています。

最も一般的なタイプは奥歯は噛んでいるが前歯が数本当たらない状態で、矯正治療の中でも治すのが難しく後戻りしやすい歯並びとされております。

開咬の多くが顔や顎まわりの筋肉のアンバランスによって引き起こると考えられており、指しゃぶりや舌の癖などの日常生活での悪い習慣や癖が大きく関連しています。

上下の歯がかみ合わないことにより麺類などは舌を使わざるをえなかったり、上下の歯の隙間に舌を入れて話すために正しい舌の使い方ができず舌足らずで聞き取りにくいしゃべり方が特徴です。

さらに顔の下半分(鼻から下顎にかけて)が長いお顔立ちなので、上下の唇が合わさりにくく、無理に閉じようとすると顎の先に梅干し状のシワが見られます。

 

開咬の原因

開咬は大きく分けて3つの原因があるといえます。

特に下2つに関連する口腔習癖が重要で、これらを改善しないと矯正治療の治療の進行を遅らせたり、矯正治療で開咬が治ったとしても後戻りしやすくなりますのでご自身がどれに該当するかを必ずチェックしましょう。

 

遺伝によるもの

顎の骨の形や大きさが特徴的な場合、遺伝が原因で「開咬」になる場合があります。

 

幼少期からの癖によるもの

■ 指しゃぶり

幼少期の開咬の原因として指しゃぶりが1番目に挙げられます。

3歳頃までの指しゃぶりは生理的なものなので問題ありませんが、
4~5歳以降も継続して指しゃぶりを続けてしまうと歯並びへ悪い影響を及ぼす可能性があります。

指しゃぶりをすることで、上の前歯が外向きに傾く、下顎が後ろに下がり面長な顔立ちになりやすくなります。

 

■舌癖


指しゃぶりと同様に、舌癖も開咬を引き起こす大きな原因とされています。

舌癖の中でも特に、「低位舌」「舌突出癖」という舌の位置の異常を起こす癖が開咬の方に多くみられます。

低位舌とは、日常生活で舌が上顎の口蓋に接しているはずが、舌の筋肉が弱いために下の位置に落ち着いてしまう状態です。

また、舌突出癖とはツバや食べ物をゴックンする際や発音する際に舌が前に出てしまうことで歯を裏側から押し込んで外側に傾かせてしまう状態です。

他にも舌を無意識の咬んでしまう咬舌癖もあります。また、舌自体が大きい「巨大舌」はこれらの舌癖を起こしやすくなると言われています。

 

鼻咽腔疾患、呼吸器疾患によるもの

■口呼吸

口呼吸はアデノイドやアレルギー性鼻炎、蓄膿症などの鼻咽頭疾患、かぜなどの呼吸器疾患によって鼻が詰まると普段から口呼吸をする癖がついてしまいます。

この口呼吸が続くと口輪筋(口まわりの筋肉)が弱くなり、最終的に唇や口腔内の筋肉のバランスが崩れて、顎の骨の成長にも影響を及ぼし、面長な顔立ちになりやすくなります。

 

 開咬によるリスクやデメリット

では、開咬を放置することでどのようなデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、起こりうるリスクについて具体的にご紹介します。

 

虫歯や歯周病になりやすい


開咬の方の多くはお口が閉じにくく、普段からお口があいているために口腔内は乾燥して細菌が繁殖しやすい状態であるといえます。

そのため、歯を失う原因の生活習慣病として皆さんがよく知られる虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

 

奥歯の寿命や顎関節への影響

通常、歯は奥歯と前歯がそれぞれの役割をもっており、お互いに機能して守りあっています。

また、顎関節も噛み合わせの影響を受けやすいとされています。

しかし、開咬により前歯で物を噛めないことで奥歯にばかり負担が集中してしまうために、奥歯の寿命が短くなりやすく顎関節にまでダメージがでてしまう可能性があります。

 

発音障害

上下の歯の隙間に舌を入れて話したり、舌をうまく動かすことができないために舌足らずな発音となり相手に幼い印象を与えてしまいます。

「滑舌が悪い」話し方のため、大切な面接や発表の場でも影響が出てしまうリスクがあります。

 

風邪やインフルエンザになりやすい

口呼吸は鼻呼吸と比べて、体内にホコリやウイルスが侵入しやすい状態になるために体の不調を訴えやすくなるリスクがあります。

 

嚥下障害や胃腸障害

食べ物を前歯で細かく噛み切ることができないために、大きな食片となり飲み込みにくいことや、胃や腸での消化の際に負担がかかるためにお腹を下しやすくなる場合があります。

 

 開咬の年齢別での矯正方法

開咬治療について、年齢別にご紹介します。

 

乳歯列期(3~6歳前後)の開咬

乳歯列期の開咬のほとんどが指しゃぶりが主な原因です。

特に顎の形に問題が無い場合、指しゃぶりをやめることで自然に開咬が治癒することがあります。

そのため、5歳くらいまでに癖を無くすことができれば、乳歯列期には治療を行わず、混合歯列期まで様子を見ます。

しかし、癖が治らず顎の成長に影響を及ぼす可能性がある場合、お口周りの筋トレ(口腔筋機能療法)や癖を取り除く装置を装着する矯正治療を行うことがあります。

 

混合歯列期(6~12歳前後)の開咬

混合歯列期の開咬は乳歯列期と同じように指しゃぶりや舌癖が主な原因です。

この悪い癖が歯並びや顎の成長に悪影響を与え、日常的にお口が閉じにくくなりお口がポカンと開いてしまいます。

この状態が長く続くと、さらに歯並びや顎の成長が悪い方向へと向かいますので、癖を治すこと、お口周りの筋トレ(口腔筋機能療法)、矯正治療を積極的に行った方がよいといえます。

当院では口腔周囲筋のバランスを整えるマウスピースタイプの装置が使うケースが多いです。

 

永久歯列期(12歳以降)の開咬

大人の開咬の矯正治療の場合、前歯を挺出(抜け出る方向に移動)、奥歯の圧下(押し込む方向に移動)のどちらかまたは両方を組み合わせての治療となります。

従来の治療では「ブラケット装置」を装着し、小臼歯を抜歯してできたスペースを利用して前歯を内側に傾けることが多く行われていましたが、歯科矯正用アンカースクリューなどの骨に固定を求める装置の登場により、効率よく奥歯を沈める治療も可能となりました。

また、「マウスピース」を用いて開咬を治すことも可能になりました。

骨格的なズレやアンバランスが大きいと、外科手術を伴う矯正治療を必要になる場合があります。

これらの治療に加えて、舌癖などの口腔習癖を治すことが治療への近道であり、後戻りの予防にもつながります。

 

開咬治療の期間と通院頻度

矯正治療の期間は2年前後が目安ですが、歯の動かし方や治療方法により変動します。

基本的には1~2ヶ月に1回の頻度で来院していただきます。

 

開咬治療の費用

一般的な矯正治療は保険診療適応外の自費治療となります。

費用は子供の矯正の場合は10万~60万円、大人の矯正の場合は60~150万円が相場で、使用する装置や処置内容によって異なります。

開咬の矯正治療は「医療費控除」の対象になる場合がありますので、担当の歯科医師に確認しましょう。

また、顎の変形や症候群による開咬で外科手術を伴う矯正治療の場合には保険診療の対象となります。

保険適用される医療機関は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。

 

まとめ

 

Check Point

■開咬は矯正治療の中でも難しい歯並びであり、後戻りしやすい。

■開咬は口腔習癖が大いに関係している。

■開咬はお口のトラブルだけでなく、発音障害や体調にまで影響を及ぼすリスクがある。

■口腔習癖を改善することで、矯正治療の進行をスムーズにし、後戻りの予防につながる。

■開咬の治療方法は子どもの場合、口腔習癖を改善することがメインとなる。大人の場合はブラケット装置やマウスピース装置、外科手術など様々な治療法がある。

■開咬の矯正治療期間は2年前後が目安だが、治療計画により期間は大きく異なる。

■一般的な矯正治療の費用の相場は子どもで10万~60万円、大人で60~150万円。医療費控除の対象となる場合がある。

 

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